ウィトルウィウスによるオーダーの解釈

ウィトルウィウスはオーダーをウィトルウィウスは、古代ローマ、紀元前1世紀ころの建築家。

ウィトルウィウスを有名にしたのは、ユリウス・カエサルに捧げられた著作で古代ギリシアからローマに至る建築理論の集大成の『建築十書(De architectura libri decem)』です。この書は中世に再発見され、ルネサンス以降の建築に大きな影響を与えました。また、これは現存する最古の建築理論書で、古代ギリシアを含め、建築に関わるあらゆる事柄が記されています。

この中で、ウィトルウィウスは、5種類のオーダーをあげ、その後の標準となりました。

上位概念
下位概念
内在的原理
量的
ordinatio
symmetria

質的
dispositio
eurythmia
外在的原理

deor
distributio

ordinatio

量的秩序一般(全体的比例)に関する原理

dispositio

質的秩序一般(全体の配置)に関する原理

symmetria

量的秩序に基づく各肢体間と全体の構成

eurythmia

質的秩序に基づく美的構成(視覚的美)

deor

形式と内容の一致性(につかわしさ,ふさわしさ)

distributio

配分・経理を内容とする実践的原理

(*森田慶一訳『ウィトルーウィウス建築書』(東海大学出版会)より構成

 

またウィトルウィウスは、柱間間隔については、次の5種をあげています。

柱間の形式
柱間
柱高
密柱式
1.5D
10D
集柱式
2D
9.5D
正柱式
2.25D
9.5D
隔柱式
3D
8.5D
疎柱式
3.5D / 4D
8D

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