メゾン・ドミノ


ル・コルビュジエが提唱したユニット空間。ドミノとは、dom + ino ということです。このような基本ユニットを積み上げたり組み合わせたりすることで大規模な空間集合をつくりあげます。

基本的なユニットの配置よって建物全体を構成しようという考え方は1960年代に黒川紀章や菊竹清訓らが提唱したメタボリズムの建築にもあらわれます。メタボリズムでは、基本ユニットを配置し、さまざまな用途に用い、利用者の変化(たとえば住居では家族構成の変化)に対応させようとしました。これは建設における工業化とも関連していて、規格化された同じ形の箱(コンテナをイメージすればわかりやすいでしょう)を大量に生産し、利用者が適宜、箱空間に用途を当てはめていくことで成り立ちます。思想的には高度成長前期のあだ花とも言え、その後の建築の主流にはなりえませんでした。これは、メタボリズムの建築自体(思想は別として)に、現在でもまだ残る「用途」と「機能」の混同が原因なのでしょう。メタボリズムにおける工業化および規格化は、プレファブ住宅として生き残っています。

 

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